大いにネタバレを含みます。

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読みました。

馬剃天愛星さん回でしたね。

馬剃さんホンマようがんばったで。

公園、泣きました。

今回、生徒会戦の温水くんがかなり良くて、彼の「他者からの求めに(最終的に)応じてしまう」という特質が推されていて、献身ですよね。温水くんのその特質と馬剃さんの(やはり同様に)献身の心。これらが共鳴したんやね。

で、馬剃さんは温水くんのそういう献身性に惹かれたんだと思うんですが、他方で温水くんは釣った魚にエサを与えないところがあるというか、おい!!! 温水!!!!!  そういうとこだぞ!!!!!! 感もまた今回のフィーチャーではありました。

私はぬくやな派なんですが、これはどちらかというと、「彼彼女らがそのように導かれなければ「物事の道理」に反する」(あと、八奈見さんが普通にかわいい)という理屈で、感情ではなくむしろ理屈から来ているんですが、私の感情のところでは「とは言え、馬剃さん、ぜんぜん普通にアリじゃね?」とも言ってて。私は「馬剃さん、ぜんぜん普通にアリじゃね?」と思った。

しかし、温水くんは最後の最後に「いや、馬剃さんじゃなくね?」と気付いてしまった。土壇場で別の女性のことを考えてしまった。その「気付き」が一体何なのか、何と名付けられる感情であるか探す旅がこれから数巻続くのではないでしょうか。

たぶんだけど、八奈見さんは気付いてるんだよな、温水くんが「気付き」を持っていることに。けれども、二人ともその「気付き」が何と名付けられるの感情なのかを直視しようとしていない。

二人は緩やかな共犯なんやで。

馬剃さんは、悲しいかな、その共犯関係には入れてもらえなかった。彼女の折り目正しい性格が、その緩やかさに甘えることを許さなかった、と言い換えてもいい。まさにそここそが馬剃さんの魅力ではあるのですが。8巻のストーリーがどのように駆動していたかと言うと、基本的に馬剃さんの律儀さドリブンでした。特攻するし、待ち伏せするし、情に訴えるし、コスプレする。けれど、温水くんのイエスがあるまではその先を強要しない。良い子ですよね。

そして、その折り目正しさ、律儀さが、なんというか「その場のノリ」的なもので破壊され、爆発的な説得力を出したのが演説でした。あの演説は最高。一世一代なんやな、と感動しました。

馬剃天愛星さん、勝負所(クリスマス、演説、借り物競走、そして……)できちんと一世一代の勝負を仕掛けられるのがマジのマジのマジでえらくて、これは温水くん&文芸部ガールズにはない能力なんですよね。

しかし、負ける。

厳密には負けていないかもしれないけれど、一世一代で勝ちきれない。そこに世の儚さというか、温水の悪さですよね。馬剃さんのこと勝たせたれよ、と読者みんな思っとる。馬剃さん、マジなんやで、カツサンド貪ってるどっかの誰かとは違うんやで、みんな思っとる。

うーん。

温水くんは自分が馬剃さんを泣かせているだろう意味をもっと深く噛み締めてほしい、というか、たぶん「自分が誰かを泣かせている」と噛み締める回、これから来るでしょう。「女の敵」言われてたのはこういうことやったんか、そう向き合う日が来るだろう。その回のメインは絶対に馬剃さんであって欲しいし、その時には温水くん。もう一度、馬剃天愛星さんの気持ちと真剣に向き合って欲しいですね。

いやしかし、今回の馬剃天愛星さん本当に偉かったな……………………。

追記

野暮ったい話なので追記として書くんですが、ラブコメ一般の常として、作者は登場人物らが恋愛感情に気付くタイミングを先延ばしにすることで物語を継続させる(させざるを得ない)こととなり、はっきり言ってダレがちなんですが、本作『負けヒロインが多すぎる!』は、その「気付き」を先延ばしにすること自体が物語を駆動させている(「気付き」を直視しないことが登場人物らの基本的な行動原理として組み込まれている)。そこが読んでいて気持ちの良いところなのかもしれないなと思いました。

追々記

豊橋の聖地巡礼する人には、馬剃さんの勝負スポットとして名高い「向山大池」、ここ必ず行ってほしいです。男子に告白するつもりでここ歩くの、勇気要りますよ。

馬剃さんの勇気の一端がわかります。いや、すごいんやて。

241013 『負けヒロインが多すぎる!』聖地巡礼 in 豊橋&豊川箱庭療法記

追々々記(2025/05/20朝)

選挙で勝てたのは本当に尊いことに感じられてきました。二人の愛やで。