よしざきです。
2025年もいっぱい本を読みました。大体100冊くらい読みました。
内訳は、おおまかに小説20冊、身体論10冊、創作関係10冊、トレーディング25冊、その他一般書35冊といった感です。
以下の5部門でベストブックを選びました。ベストと言いながら複数選んでいる部門もあります。
- 小説部門
- 一般書部門(創作)
- 一般書部門(仕事)
- 一般書部門(トレーディング)
- 来年こそ読了したい部門
小説部門
『平家物語 犬王の巻』(古川日出男)
私にとっての「文芸」って、これかもしれないです。
文字を使って物語を紡ぐことの真髄を感じさせられました。文字を巧みに配置することで、視覚的に、読み手の読む速さをコントロールする。ひいては物語を読みながら情景を描く想像力を膨らませてくれる。また、音としての文字。物語の声が読み手に響く。
物語の筋それ自体も凄まじく、「文芸」の力と合わせてダッバダバ泣きました。
まあ、こうして私が御託を並べても仕方ないんで、読んで下さい。短いし。凄(すげ)っす。
『口訳 太平記 ラブ&ピース』(町田康)
古川日出男の『平家物語 犬王の巻』って、文芸――文字で語る力強さだったんですが、他方、この町田康『口訳 太平記 ラブ&ピース』って音で語る力強さなんですよね。
この『口訳 太平記 ラブ&ピース』では、『太平記』の筋の中にスッと町田康の語りが挿入される。しかしその語りは筋を妨げることなく、むしろ流れを加速させる。そのドライブ感。押し流される気持ち良さ。
そして、ラストシーン。最後の一ページで天を仰ぎました。一人の武士が小集団を率い、戦場から去るシーンで幕が下ります。読者たる我々は、その武士、小集団、そして後醍醐らがどうなったかを知っている。彼は敵に射られるのだが、神仏のご加護のおかげで傷一つ受けない。このご加護は、いわば代執行者としての象徴なんですよね。 この象徴、to be continued…感の読後感が素晴らしい。
一般書部門(創作)
『俺の文章修行』(町田康)
すみません、小説に引き続き、また町田康です。
私はライトノベル(ということにしている小説)を書いてて、そこではそこまで「文芸」とか「語り」とかって重視されない(らしい)んですが、私、本当はこういうやり方で小説を書きたい。物語があり、それを語るための声がある。そういうものを書きたい。
はっきり言って、これを読んで実践できるやつは読まずともとっくに実践できてるし、「ほへ~」とか感心しながら読んでたやつ(要するに、おれ)は一生できない。だから、役に立つかは疑わしい。ただ、疑わしいからこそ繰り返し読める一冊になるし、座右の一冊になるだろう。
よしざきのブログ記事
私は実際にたまに手に取って読み直しています。そういう、何度も読むに値する一冊でした。
町田康の『俺の文章修行』を語らせてくれ。箱庭療法記一般書部門(仕事向け)
『サムスンは生き残れるか 逆境の韓国経済』(細川幸太郎)
私は仕事柄、会社では韓国のビジネスマンとお話をする機会が多々あります。そんな時に初手で相手の懐に飛び込めるか。飛び込む度胸が生死を分けます。で、その度胸ってやつは、結局、相手の文化をどれだけ知っているか、それを相手と自分の共通の話題として語れるかなんですよね。
本書は私に度胸をくれたし、実際に三回助けてくれた。その意味で感謝のランクインです。
ただ、内容について言えば、こうもHBM(メモリ)が盛り上がっている今だとサムスンの業績については若干アウトオブデイト感がある可能性はある。可能性はあるが、本書が上梓された時期からサムスンの企業文化はそうは変わっていないだろうし、サムスンが韓国経済に与える影響も変わっていないだろう。
韓国のビジネスマンと会話する機会のある方にはオススメです。
一般書部門(トレーディング)
『バフェットとソロス勝利の投資学――最強の投資家に共通する23の習慣』(マーク・ティアー)
株やる人は全員が読んだ方がいいです。
私は(ブログで度々書いている通り)ウォーレン・バフェットが嫌いで、ジョージ・ソロス(伝説的なトレーダー)について知りたくて読みました。ソロスについての書籍で絶版ではないものって限られているので。
結論から言えば、私はバフェットともソロスとも違うスタイルでトレードをしています。しかし、そのスタイルの原則(本書では「習慣」と呼ばれるが)は本書を参考にしております。私は今年の九月からトレードを中断して全くノーポジになって、トレードのための確固たるシステムを作っているんですが、中断に至った理由、システムを作った理由は本書から大いに影響を受けています。トレードのための原則が曖昧な状態でトレードをするべきではないし、逆に、原則が確立されたら貪欲にマーケットに打って出るべき。
本書を読んだとしても即座に利益が出るわけではない。けれども、利益を出し続けるためには本書が言うところの「習慣」について考え続けなければならない。
ちなみに、株をやる人は本書を五冊目くらいに読んだ方が良くて、一冊目は絶対に『マーケットの魔術師 エッセンシャル版』(ジャック・D・シュワッガー)。二冊目には『なぜ株価は値上がるのか?』(矢口新)。
『マーケットの魔術師 エッセンシャル版』では、『バフェットとソロス勝利の投資学』の「習慣」の実例が様々紹介されています。興味深いのは、どんな投資スタイルの投資家も、共通する習慣――規律を守ること――を第一原則として挙げていること。具体的な手法ではなく、心構えを知ってからマーケットに出るべきでしょう。
『なぜ株価は値上がるのか?』は、マーケットが動くメカニズムを概観します。値動きのメカニズムには長期的な要因/短期的な要因があると説き、それぞれの要因のプレイヤーを投資家/投機家とさらに分類します。それぞれのプレイヤーは相手が不合理であると主張するのだけれど、そもそも不合理に基づく相互作用によって値動きが生まれているのだからその主張には意味がない。マーケットの構造を知ってからマーケットに出るべきでしょう。大局観を与えてくれる一冊です。
来年こそ読了したい部門
『告白』(町田康)
こんだけ町田康にハマってるんだから、代表作をいい加減に読みましょう。途中まで読んだものの、その後かなり間が空いたから頭から読まなきゃです。
『平家物語』(古川日出男)
ちょっとずつ、ちょっとずつ読み進めております。
『11/22/63』(スティーヴン・キング)
上中下巻のうち、上巻だけ読んだ後にドナルド・トランプがアメリカ合衆国の大統領に就任し、本書の「アメリカ合衆国の大統領が暗殺されなかった世界は、暗殺された世界よりも良い世界になっているはずだ」というビジョンにどうしてもノれなくなってしまいました。ただ、間違いなく面白い。気持ちが追いついたら読みたい。
まとめ
総じて、2025年は小説が少なかったという印象が拭えないですね。トレーディングに関する本を読みすぎた感があります。
2026年はもうちょっと小説、しかも骨太なやつをしっかり読んでいきたいですね。
(おわり)









